泡沫の記憶
朱夏の自動車学校が終わって
兄が迎えに来た
「やぁ、京汰ありがとな
朱夏、迷惑掛けなかったかな」
「うん
迷惑なんて…
…
…
ごめん…
迷惑掛けたのは、オレなんだ
…
朱夏のこと…
傷付けた
…
全部、オレが悪いから…
朱夏は、ただ何もわからなくて…」
「京汰…オマエなに言ってるんだ?
朱夏は…?
朱夏、どぉした?」
「朱夏、部屋にいる
…
朱夏に酷いことしたんだ…オレ…
…
人を好きになることも知らないような子を
オレの感情で…
傷付けて…」
「京ちゃん…」
朱夏が部屋から出てきた
「京ちゃん…
…
知らなくないよ…
…
私、知ってるよ…
…
京ちゃん…好きだったよ
…
ホントに好きだったんだよ
…
…
お父さん、ごめんなさい
…
私…京ちゃんのこと
好きだったの…
…
ずっと好きだったの
…
好きになったらダメだったのに…
好きだったの
…
だから、ここに来たの
来たかったの
…
…
だけどね
もぉ、大丈夫だよ
…
京ちゃん
好きな人ができたんだって
…
京ちゃん
その人とは結婚できるけど
私とは…できないんだよね?
…
お父さん
なんでできないの?
…
私も京ちゃん好きなのに…
…
仕方ないの?
どぉしても、できないの?」
朱夏…
好きになってくれて
ありがとう