泡沫の記憶

兄に2年前の夏のことから

全部話した



兄が朱夏を説得したけど

朱夏は

まだオレを好きだと言った



こんなオレのどこがいんだよ



「ごめん…朱夏…

オレ、美空と結婚するつもりなんだ
オレだけ幸せになるのもどぉかと思うけど…

美空にも本当のこと話して
美空が許してくれたら
プロポーズしようと思ってる

今すぐとかは難しいのかもしれないし
美空が許してくれなければ
別れるしかない

でも、もぉ…
朱夏のことは
姪だと思ってるから

朱夏に優しくするのも
朱夏をかわいいと思うのも
朱夏がオレの姪だからなんだ

朱夏、わかって…

朱夏…ごめん…
ホントにオレが悪かった

謝っても許されないことだけど…
朱夏…ごめん…
それしか、言えない」



嘘ではなかったけど

朱夏に諦めてもらうために

今考えて言った



結婚もプロポーズも

まだ考えてなかった



朱夏は泣いた



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