泡沫の記憶
SNSで探したら
泊まる場所すぐ見つかった
「はじめまして…」
初めて会う男の人
こーゆーのよくないと思ったけど…
「はじめまして」
メガネを掛けてて真面目そう
悪い人には見えない
「アパートここから近いんだけど
友達が車で迎えに来るから
ちょっと待ってね!」
え、友達…?
男性はスマホを耳に当てて誰かと話してた
大丈夫かな…
「あ、来た、来た…」
男性が手をあげたら目の前に車が止まった
車のドアが開いた
「どーぞ…」
え…
車の中にふたり男の人が乗ってた
「あの、やっぱり、私…」
「どぉしたの?」
もぉひとり車から男の人が下りてきて
私を無理矢理乗せようとした
「ヤ…」
逃げようとしたら
手首を強く掴まれた
「アレ?オマエなにしてんの?」
後ろから男の人の声がした
振り返ったら目が合った
誰?
知らない人だった
敵?味方?
「オマエ、こんなところで何してんの?」
スーツの男性が私に近寄ってきた
オマエ=私?
人違い?
もしかして
助けようとしてくれてる?
「え、あ…
あー!オジサン!久しぶり!」
「あー…なに?オマエの友達?」
男性は私を車に乗せようとしてた男達を見た
掴まれてた手首を見て言った
「彼氏…?オマエ彼氏いたっけ?」
男の手が私の手首を離して
車に乗って逃げて行った