片想いは今日でおしまいでいいよね?
「美里、一緒に帰ろ!」

帰りの時間、弘樹が美里に声をかけてきた。

「美里ちゃん、ちょっと話があるの。いいかしら。弘樹君、いい?」

「じゃあ、今日は1人で帰るよ。美里は、伊田さんと話してから帰れば?」

「うん・・・」

咲綾ちゃんの話って何だろう。嫌な予感しかしない。

「あの、ね。美里ちゃん。あたし、弘樹くんのことが好きなの。この手紙を弘樹君に渡してくれない?」

そう来たか。それは・・・したくないな。いくら、優しい咲綾ちゃんの頼みでも。

「ごめん、それはできない」

咲綾ちゃんの表情が変わった。

「じゃあ?明日、弘樹くんに直接渡すけどいい?止める権利なんて、ないよね。」

「・・・」

咲綾ちゃんが走り去っていった。あたしは、幼いころ、ひろちゃんにもらったスーパーボールを握りしめていた。
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