片想いは今日でおしまいでいいよね?
その日の帰宅時。咲綾ちゃんが、弘樹に声をかけた。

「答えをもらいたいんだけど」

「今?」

驚いた様子の弘樹。

「あたしっっ!先行くね!」

と走り出したあたし。なんとなく、体育館の方に走ってきた。2人は一緒に帰るんだろう。顔を合わせたくない。

「待てよっっ!!みぃ!・・・美里っ!」

体育館に着いたところで、いわゆる、壁ドンされて、動けなくなったあたし。

「ひろちゃ・・・。咲綾ちゃんは?」

「知らね。分かったんじゃね?俺の気持ち」

「弘樹の・・・気持ち?」

どんっ、もう一度、壁を叩く。

「俺がっ、好きなのは、みぃだけだよ。どんな想いで、毎日、家まで送ってたと思ってんだよ。気がつけよ。俺、陸上部の練習あるのに、お前と帰ってたんだぞ」

「あ・・・そういえば、そか」

「今まで、気がつかなかったのか?家まで帰って、とんぼ返りしてたんだぞ」

「あ・・・それは・・・すみませんでした」

弘樹は頭に手をやって行った。

「あ~、俺がやりたくてやってただけだからいいんだけど、全く気付かれていなかったとは、心外だ」
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