片想いは今日でおしまいでいいよね?
「美里の、気持ちは?」

「あたしも、ずっとずっと、ひろちゃんが好きだったんだよ。ほら、この、スーパーボール、覚えてる?」

バッグにつけた、巾着に入れたスーパーボールを取り出して見せる。

「これ。あのときの。虹色スーパーボール。すっごい、レアものだったんだぜ」

「あのときから、いまもずっと、弘樹のことが好きです」

言ってしまった。ついに、言ってしまった。

弘樹がにっこりと笑って言う。

「幼馴染から、恋人になりたいよ」

「でも、恋人って・・・具体的には?」

と聞くあたしに、

「とりあえず、キスでもしてみますか」

とおどけた調子で答えるひろちゃん。

「・・・うん」

「いざ、ってなると、キンチョーするな。目、閉じて」

しばらくすると、弘樹の柔らかな唇の感覚が自分の唇に伝わった。

永遠かと思われるような時間。

ピーッ、というバスケ部の笛の音に現実に引き戻された。
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