優しい温もり【完結】
ずーっと視線を動かすと
窓辺でタバコを咥えた、ボサボサ頭でメガネを掛けた男性が立っていた。

「あ・・・・あの~・・・・・」
遠慮しながら声を掛けてみた。
でも何でこの男がここに居るのが理解が出来なかった。

目の前にいるのは、数学教師のダサ男。
ここに居ても不思議ではない人物だったが・・・今は頼くんに呼び出されてここに来た私には謎でしかなかった。

「おぉ。悪かったな。」
ダサ男はそう言いながら、手を差し出した。

・・・・・・
その行動の意図を理解できずに、止まっていた。

「おい。ファイルとライター。」
ファイルとライター?・・・・・そうだ、私が預かってきた物。
でもこれは頼くんの物。
・・・なんでダサ男が受け取るの???

「美優ちゃん、早く。」
考え込んでた私の耳に、優しくて甘い声が聞こえてきた。
この声・・・・どっかで聞いたような・・・・・。
またまた考え込む私。


それでもずっとダサ男を見続けていた。



ダサ男はニヤっと笑い、メガネを外し前髪をかき上げた。

・・・・・・・


えっ・・・・・・・・・
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