優しい温もり【完結】

入学式の前日 期待に胸弾ませていた私の前から、母が消えた。

「あなたはもう大人だから大丈夫」
その一言を残し。

私はいつもの気まぐれ、すぐに戻ってくると思っていたのに・・・。

今回は違ったらしい。
兄に私のことを託していた。

兄がいるといっても私は独り。

孤独になった。

15才の私に何が出来るのだろうか・・・・・。

せっかく合格した高校。
高校だけは何があっても通いたい。
だから学校・友達にこのことは知られたくない。

そう考えた私は全てを闇に葬った。

”私は強いから大丈夫!! 今までと何も変わらない”
そう自分に言い聞かせて。


密かに高校デビューを夢みていたのに。
現実は・・・地味で目立たない・・・・・おとなしく真面目で飾りっ気のない美優がいた。
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