優しい温もり【完結】
「おはようございます。」
どっしりとした扉をあけると
しっとりとした空気の中、時の流れを忘れさす空間がそこにはあった。

まだまだ私には、不釣合いな場所。
それが私のバイト先、ダイニングバー”GREEN”


昼間とは違い
メガネをはずし、白いシャツ・黒いパンツ・少しヒールのある黒のパンプスを装備。
大人っぽく髪の毛をアップにまとめた。
不釣合いな幼い顔を隠す為、めいっぱい化粧を施した。
かなり背伸びをし 18才の美優 を作り上げ、週3日働いていた。
ヒンヤリとした夜の空気が流れ込んできた。

「いらっしゃいませ。」
その音に満面の笑みで答えた。
今日は週末。 ボサッと立っている余裕はなさそうだ。


繁華街にある店には、仕事帰りのサラリーマン・合コンの学生さん・店の雰囲気が好きで集まる常連さん・・・いろいろな人が集まってくる。

お客さんの楽しそうな笑顔や、美味しさに満足げな顔を見ていると、私もパワーを貰え、ずっと笑顔でいられる気がした。

私を妹の様に可愛がってくれる仲間に温かさを感じ、
ここが私の居場所なんとだ思わせてくれる場所になっていた。
< 5 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop