転生人魚姫はごはんが食べたい!
「だから俺はっ――」
旦那様はそれまで唖然と開きっぱなしだった口を閉じる。沈黙すること自分を落ち着かせ、何やら葛藤しているようだった。やがて伝えるべき言葉がまとまったのか、改めて私の目を見て告げる。それは正真正銘、私への想い。私たち二人だけの、どこにも逃げばのない真実。
「俺はエスティ以外、他の誰とも結婚するつもりはない」
「まあ、旦那様ったら……なんですって!?」
ようやく事の重大さに気付いた私も思わず立ち上がる。私たちはテーブルを挟んで顔を付き合わせていた。もしかしたら私は、最初から大きな勘違いをしていたのかもしれない。
「ど、どういうことですか!?」
「どうもこうも、そんなの理由なんて一つだけだろ」
そのたった一つの答えを私は見落としていたのだ。
「ずっとお前のことが忘れられなかった。けどお前は、手が届かないほど遠い存在だと思って諦めた。遠すぎて、もう一度会うことすら叶わないと思ってたんだ。それなのにお前が目の前に現れて、俺は自分を抑えられなかった。それくらいお前のことが好きだったって、俺自身思い知らされたんだぜ」
それで突然の抱擁だったのかと今更ながらに納得させられる。
「お前はやっと手に入れた愛しい妻だからな」
熱のこもった告白に頬を染めている暇はない。どちらかというと私は青ざめている。
「わ、私、本当にラージェス様の妻なの!?」
「そう言ってんだろ。だから嫁にきたんじゃないのか?」
「そう、です……そうですけど!」
認識には天と地ほどの差がありました!
「私の認識では妻と書いて人質と読むくらいの意味合いだったのです!」
「いや妻って書いたら素直に読めよ!」
「今そこは大きな問題ではないのです! 問題は、もしかしなくても私はラージェス様の正妻!?」
「正妻もなにも俺の妻は一人だけだ! そんでもって、それお前な。俺はお前が好きなんだからさ」
嘘……それって、なら私、私は……いわゆる王太子妃ってこと!?
所詮人質。名ばかりの妻。人質としての妻なら公務も忙しくないわよね! 人前に姿を見せることも滅多にないだろうし! 夜の心配もなし!
なんて気軽に考えていた自分が恥ずかしいっ!!
旦那様はそれまで唖然と開きっぱなしだった口を閉じる。沈黙すること自分を落ち着かせ、何やら葛藤しているようだった。やがて伝えるべき言葉がまとまったのか、改めて私の目を見て告げる。それは正真正銘、私への想い。私たち二人だけの、どこにも逃げばのない真実。
「俺はエスティ以外、他の誰とも結婚するつもりはない」
「まあ、旦那様ったら……なんですって!?」
ようやく事の重大さに気付いた私も思わず立ち上がる。私たちはテーブルを挟んで顔を付き合わせていた。もしかしたら私は、最初から大きな勘違いをしていたのかもしれない。
「ど、どういうことですか!?」
「どうもこうも、そんなの理由なんて一つだけだろ」
そのたった一つの答えを私は見落としていたのだ。
「ずっとお前のことが忘れられなかった。けどお前は、手が届かないほど遠い存在だと思って諦めた。遠すぎて、もう一度会うことすら叶わないと思ってたんだ。それなのにお前が目の前に現れて、俺は自分を抑えられなかった。それくらいお前のことが好きだったって、俺自身思い知らされたんだぜ」
それで突然の抱擁だったのかと今更ながらに納得させられる。
「お前はやっと手に入れた愛しい妻だからな」
熱のこもった告白に頬を染めている暇はない。どちらかというと私は青ざめている。
「わ、私、本当にラージェス様の妻なの!?」
「そう言ってんだろ。だから嫁にきたんじゃないのか?」
「そう、です……そうですけど!」
認識には天と地ほどの差がありました!
「私の認識では妻と書いて人質と読むくらいの意味合いだったのです!」
「いや妻って書いたら素直に読めよ!」
「今そこは大きな問題ではないのです! 問題は、もしかしなくても私はラージェス様の正妻!?」
「正妻もなにも俺の妻は一人だけだ! そんでもって、それお前な。俺はお前が好きなんだからさ」
嘘……それって、なら私、私は……いわゆる王太子妃ってこと!?
所詮人質。名ばかりの妻。人質としての妻なら公務も忙しくないわよね! 人前に姿を見せることも滅多にないだろうし! 夜の心配もなし!
なんて気軽に考えていた自分が恥ずかしいっ!!