転生人魚姫はごはんが食べたい!
好きな女って……
そうやって旦那様は誤魔化してしまうのですね。私に気を遣わせないように、わざと軽く振る舞っているのでしょう? それとも全部私の都合のいい解釈なのですか?
「自意識過剰でしたら、そう言って下さいね。……私のために、そうまでしてくれたのですか?」
「そうだよ。お前にいいとこ見せたくてな」
私は散々悩んで絞り出した言葉だというのに旦那様は躊躇いも見せずに答えた。
「でも私は! そうまでしていただいても取引以上の対価は払えませんわ」
「心配すんなって。これは取引とは別の話だ」
「別、ですか?」
「まだお前が俺に寄越してないもんがあるだろ?」
まったく答えがわからない。きっとこれがレイシーが時々言っていたエスティ姉さんの話は難しいという気持ちだろうか。私にとって旦那様の話はとても難しいものだった。
「俺はお前の心が欲しい」
「私の、心?」
「そっ、お前の気持ちな」
私の心がどうしたというの? もらったところで大した価値はないでしょう?
それなのに私の旦那様は欲しくてたまらないと望むのだ。
「俺はお前に心から愛されたいんだよ。だからこれは、ただの点数稼ぎだな」
旦那様の正直な告白を目の当たりにした私は思わず疑ってしまう。
この人は本当に私のことが好きなの?
私にとっては初対面も同然で、旦那様にとっては恩人。助けた相手だとしても私の記憶に残っていないとなれば過ごした時間は僅かなものだったはず。それなのに私のどこを、何を気に入ってくれたというのか。
「そんなに私が好き、なのですか?」
「大好きだ!」
旦那様いわく、私の眼差しはよほど疑り深く見えたらしい。そのための誤解を吹き飛ばすような回答ぶりだとか。
「初めて会った時から惹かれてた。けど、お前と過ごすうちにもっと好きになってたよ」
「こんな、ごはんばかりで可愛げのない女をですか?」
そうやって旦那様は誤魔化してしまうのですね。私に気を遣わせないように、わざと軽く振る舞っているのでしょう? それとも全部私の都合のいい解釈なのですか?
「自意識過剰でしたら、そう言って下さいね。……私のために、そうまでしてくれたのですか?」
「そうだよ。お前にいいとこ見せたくてな」
私は散々悩んで絞り出した言葉だというのに旦那様は躊躇いも見せずに答えた。
「でも私は! そうまでしていただいても取引以上の対価は払えませんわ」
「心配すんなって。これは取引とは別の話だ」
「別、ですか?」
「まだお前が俺に寄越してないもんがあるだろ?」
まったく答えがわからない。きっとこれがレイシーが時々言っていたエスティ姉さんの話は難しいという気持ちだろうか。私にとって旦那様の話はとても難しいものだった。
「俺はお前の心が欲しい」
「私の、心?」
「そっ、お前の気持ちな」
私の心がどうしたというの? もらったところで大した価値はないでしょう?
それなのに私の旦那様は欲しくてたまらないと望むのだ。
「俺はお前に心から愛されたいんだよ。だからこれは、ただの点数稼ぎだな」
旦那様の正直な告白を目の当たりにした私は思わず疑ってしまう。
この人は本当に私のことが好きなの?
私にとっては初対面も同然で、旦那様にとっては恩人。助けた相手だとしても私の記憶に残っていないとなれば過ごした時間は僅かなものだったはず。それなのに私のどこを、何を気に入ってくれたというのか。
「そんなに私が好き、なのですか?」
「大好きだ!」
旦那様いわく、私の眼差しはよほど疑り深く見えたらしい。そのための誤解を吹き飛ばすような回答ぶりだとか。
「初めて会った時から惹かれてた。けど、お前と過ごすうちにもっと好きになってたよ」
「こんな、ごはんばかりで可愛げのない女をですか?」