幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

しかし、スカーレットの教えてくれることは全て面白く、二人はスカーレットの教えてくれることに夢中になった。童話も花言葉も夢がある話だ。

話を終えた後は、三人で絵を描いたり歌を歌ったりした。絵の描き方、歌などは当然ヴィクトリアとウーヌスは知らない。スカーレットに教えてもらい、芸術でも二人は才能を発揮した。

「すごい！とっても上手！」

ヴィクトリアとウーヌスの描いた絵を見て、スカーレットが無邪気に笑う。その笑顔を見て、ヴィクトリアの胸はなぜか温かくなった。

「スカーレットが教えてくれたから……」

ヴィクトリアがそう言い、ウーヌスも頷く。すると、スカーレットは言った。

「私、外の世界を見てみたい。こんなちっぽけな箱庭の中で一生を終えたくないの」

そんなことを言う人物をヴィクトリアたちは見たことがない。しかし、スカーレットの夢を応援したいと思った。

「ねえ！これから三人で会う時はスカーレットじゃなくてカレンって呼んで！カレンの時だけ私は本当の自分になれる気がするから」