幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
三人はそれからもたくさん会って話した。そして、十五歳になってしばらくした頃、エデンからシャーロックがいなくなった。

「ウーヌスはどこに行った!?探し出せ!!」

レジーナが怒り狂っている様子を、エヴァは何度も見た。シャーロックはエヴァが眠っている間に部屋からいなくなっていたのだ。エデンから子どもがいなくなるのは初めてのことで、他の少年たちは戸惑っている。

「シャーロック、どこに行ったのかしら」

「心配だよね……」

三人が二人になり、エヴァは胸元を押さえながらカレンと話す。シャーロックがなぜいなくなったのか知りたくてたまらない。

その時、ふわりとカレンがエヴァの白い髪に触れた。それと同時に頭に何かがつけられる。

「カレン?」

優しく微笑むカレンは、エヴァにそっと手鏡を見せる。エヴァの頭には紫の花の髪飾りがつけられていた。

「思った通り、よく似合ってる!作ってよかった〜」

カレンの手作りの髪飾りに、エヴァはそっと触れる。それは、初めて人からもらうプレゼントだった。胸の中が温かくなっていく。
< 132 / 190 >

この作品をシェア

pagetop