幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「ありがとう。大切にする」

エヴァがそう言うと、カレンは「どういたしまして。また作るね」と笑う。

髪飾りとカレンがいれば、シャーロックがいないこの気持ちを誤魔化せる。そうエヴァは思い、光のない天井を見上げた。



二人で話す時間を楽しみながら、エヴァとカレンは十六歳を迎えた。出会った頃よりも二人ともかなり成長し、立派な女性になっている。

「シャーロックもきっと大きくなってるね」

カレンの言葉にエヴァは頷いた。そして、カレンの持ってきてくれたドレスの写真がたくさん載せられた本を見る。

「こんな服、レジーナ様が着ているのしか見たことがない」

「私も着てみたいな〜……。エヴァはこんなドレスが似合いそう!」

ドレスやアクセサリーなどおしゃれの話で二人は盛り上がる。二人は軍服か真っ白なワンピースと服装はいつも変わらない。しかし、おしゃれに興味のある時期なのだ。

「いつか、着れたらいいな……」
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