幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
エヴァはカレンを縛る縄を解き、手をつないで走り出す。なぜか地上へ向かうためのドアが全て開いていて、何も考えずに二人は初めて外の世界へと飛び出せた。

「エヴァ、あり……ありがとう!」

カレンは泣きじゃくり、エヴァに抱きつく。エヴァは「もう大丈夫。私があなたを守るわ」と言った。その目には、強い意志が現れている。エデンが連れ戻しに来ることはわかっているからだ。

こうして、二人の逃亡生活は幕を開けた。



エヴァとカレンは芸術の才能を活かして描いた絵を売ったり、踊りを踊ったりしながらお金を稼いだ。家は空き家に住み、朝から晩までずっと二人一緒に過ごす。エデンにはない刺激的な毎日の連続だった。

外の世界に出て、エヴァは生まれて初めて料理や裁縫などを知った。カレンと協力しながら逃亡生活を続ける。

同じ街にはずっと留まらず、エデンの信者の姿を見つけるとすぐにその街を去った。街に慣れ始めた頃に去るのは嫌だったが、二人の生活を続けるにはこうするしかない。
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