幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
エヴァの過去をシリウスが話した時、かぐやたちは当然驚いていた。全員言葉を失い、体を震わせる。シリウスも話しながらうつむいてしまった。

エヴァのもとへは、みんな声をかけに足を運んでくれている。シャーロックも時々屋敷に来てくれるようになった。しかし、エヴァがドアを開けることはない。もう三週間もシリウスたちはエヴァの顔を見ていないのだ。

「……あの!」

うつむくシリウスたちにかぐやが声を上げた。その顔はどこか緊張しているようだったが、穏やかな表情になっている。そんなかぐやに全員の目が向けられた。

「エヴァのしてしまったことは、許されることではないのかもしれません。しかし、エヴァは心から後悔しています。彼女だってエデンに翻弄された被害者だと私は思います。エヴァにできることを一緒に考えてください」

かぐやの言葉に、シリウスの目が見開かれる。暗い感情に囚われ、何も考えていなかった。ケイリーが「そうだよね!」と立ち上がる。
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