幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「いつまでも僕らがウジウジしていたらどうしようもないよね」

「そうだな。一番苦しんでいるのはエヴァだ」

バージルも暗い顔から真面目な表情に変わる。そして、全員の目がシリウスに向けられた。シリウスの答えは決まっている。

「よし、早速考えよう!エヴァにもう一度笑ってほしい」

シリウスの言葉に全員の目が輝く。そして久しぶりに全員の顔に笑顔が見えた。



それから数日後、シリウスは緊張しながらエヴァの部屋へと向かう。外は暗くなっているのだが、エヴァの部屋は真っ暗で電気がつけられていない。

「エヴァ、ちょっといいかな?」

シリウスはノックをし、部屋の中に入る。部屋の中は真っ暗でエヴァがどこにいるのかシリウスにはわからない。

「エヴァ?」

その刹那、背後に冷たい視線を感じる。シリウスが振り返る間もなくエヴァに素早く床に押し倒された。小柄な彼女からは想像もできないほどの力でシリウスは押さえ込まれていた。
< 144 / 190 >

この作品をシェア

pagetop