幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜



「まだヴィクトリアは見つからないの!?」

レジーナの苛立った声と共に、ガチャンと食器が床に叩きつけられる。食器は割れて使い物にはならなくなった。

「レジーナ様……」

マディソンとイザベルがレジーナに駆け寄り、落ち着かせようとする。しかし、その目はレジーナではなくユダに向けられていた。お前のせいだろ、と言いたげだ。

「そもそも!お前がヴィクトリアを捕まえられないのが悪い!!」

レジーナもユダを睨み付ける。ユダはただ「申し訳ありません」と機械的に繰り返していた。

その時、レジーナの豪華な部屋がノックされる。そして、興奮したようにメイソンが入ってきた。

「レジーナ様、ご報告です!!ヴィクトリアの居場所を見つけ出しました!!舞台俳優の家に転がり込んでいるようです!!」

それを聞いたレジーナの顔は、一気に上機嫌になる。そして「早く連れて来なさい!!」と言った。

「これでようやく私の願いが叶う!!」



シリウスとエヴァは、その日は劇団での仕事に集中していた。劇の公演が近いためだ。
< 155 / 190 >

この作品をシェア

pagetop