幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「先生、どうか彼を助けてください!!」

「無理だ。もう手の施しようがない。諦めろ」

「先生!!」

舞台の上で一つの物語が繰り広げられる。シリウスもケイリーたちと共に演劇に集中していた。

「どうしても彼を助けたいというならばーーー」

シリウスが動くたび、衣装が風に揺れる。この衣装はエヴァが作ったものだ。シリウスのものだけでなく、舞台にいる全員の衣装はエヴァの手によって作られている。

「公演、きっと成功しますよ!今日も素敵でした」

舞台から降りると、シリウスたちに真っ先にかぐやが話しかけてくる。それからバージルにアクションシーンの指導をしてもらう。

劇団員たちもシリウスたちに声をかけていき、その中に白い髪の美少女が現れた。

「シリウスさん、お疲れ様です」

エヴァに微笑まれ、シリウスは頬を赤く染める。

「エヴァもお疲れ様。今回の衣装も素敵だよ。気に入った」

「ありがとうございます」
< 156 / 190 >

この作品をシェア

pagetop