幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

シリウスが目を開けると、そこはさっきまで自分がいた劇場ではなかった。ただ白いだけの部屋にシリウスは寝かされている。

「えっ？ここは？」

シリウスが体を起こそうとすると、ジャラッと音が響く。シリウスの手足は鎖で縛られていた。

「何だこれ！？誰か！！」

シリウスが叫ぶと、ガチャリと頑丈そうなドアが音を立てて開く。入って来たのは、軍服を着た男女だった。シリウスは恐怖を押さえつけ、入って来た二人を睨み付ける。

「ここはどこだ？お前らは何者だ？答えろ！！」

前に演じた強気な男性をシリウスは演じる。すると、軍服を着た男性が拳銃を取り出した。銃口はシリウスに向けられる。

「……ッ」

男性の光のない瞳を見て、シリウスは演じている余裕など一瞬でなくなった。男性が本気で殺すつもりだと感じたのだ。

「ちょっとメイソン！俳優さん怖がってんじゃん！」

女性がメイソンに言い、メイソンは舌打ちをして銃をしまう。シリウスはとりあえずホッとした。女性が口を開く。