幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「初めまして〜。私はマディソン。私とこのメイソンはエデンの幹部なんだよね」

エデンという言葉にシリウスは目を見開く。エヴァがずっと追われている宗教団体だ。

「そ、それで……エデンの幹部がなぜ僕を誘拐したんですか？僕は別にどこの宗教にも入ってませんよ」

質問をしながら、シリウスは胸の中にある嫌な予感を否定することはできなかった。この宗教団体が裏でどんなことをしているかもうシリウスは知っている。

「ヴィクトリアを捕らえたの。でも、人質がいないとあの子はまた逃げる可能性がある。あなたはめでたく人質に選ばれたってわけ」

マディソンの明るい声がどこか冷たく聞こえる。エヴァが捕われてしまったことにシリウスは体を震わせた。

いつ、シリウスのもとにエヴァがいると突き止めたのかわからない。しかし、結局は守れなかったのだ。何もできない自分にシリウスは苛立ってくる。それと同時に、エヴァのことが心配になった。