幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「私の名前はエヴァです。ヴィクトリアという武器の名前ではありません。私は生きた人間です。心を持った人間です。あなたに従うことはありません」

レジーナの目が見開かれる。そして、次の瞬間エヴァの頬に痛みが走った。レジーナに打たれたのだ。

「この恩知らず！！何がエヴァよ！！道に捨てられていたあんたを拾って武器にしてやったのは私なのよ！？私に貢献して当然でしょう！！」

エヴァは怒り狂うレジーナを静かに見つめる。レジーナに打たれた痛みなど、エヴァにとっては蚊に刺される程度にすぎないのだ。

エヴァは何度打たれても、服従するとは言わなかった。



シリウスは白い天井を見つめ続けた。閉じ込められて数日経っていることだけはわかった。しかし、エヴァがどうなっているのかなどはわからない。

「エヴァ……無事でいて……。そして二人で帰ろう……」

シリウスはポツリと呟く。何もないこの部屋の中で考えるのはいつもエヴァとの未来だった。