幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「ではこれより、エデンを追放となったヴィクトリアの処刑を始める」

ドレスを着たレジーナが冷たくそう言うと、ユダとマディソン、そしてイザベルが一斉に銃を構えた。その銃口はエヴァに全て向けられている。

「えっ!?どう言うこと!?エヴァを殺すってことですか!?」

銃口を向けられたエヴァは諦めたような目をしている中、シリウスはパニックを起こす。そしてエヴァを助けようと動くが、メイソンに押さえつけられた。

「やめろ!!放せ!!エヴァを殺さないで!!殺すなら僕にして!!エヴァ!!エヴァ!!エヴァ!!」

叫んでもがいても、メイソンの力の方が強い。拘束されたシリウスはただ叫ぶことしかできなかった。



銃口が向けられた刹那、エヴァはもう助かることはないと全てを諦めた。エデンからは逃れられない。それは自分が一番知っているはずなのに、シリウスを見て期待してしまったのだ。もしかしたら、助かるのではないかと。

シリウスの叫ぶ声を聞いて、エヴァはこんな時にも嬉しくなってしまった。シリウスが自分を必要としてくれていることが幸せだったのだ。
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