幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
エヴァはゆっくりとリゾットを食べて行く。それをシリウスとかぐやは見守っていた。その時、エヴァが窓の外を見た。シリウスも窓の外を見た。

窓の外では、風に吹かれてハナモモの花びらが舞っていた。かぐやが「今年も綺麗ですね」と微笑む。

「綺麗……。それは、美しいと似た言葉ですか?」

エヴァが訊ね、シリウスは「そうだよ。アンネストールでは春になると強い風が吹いて、ハナモモの花を散らせていく。これを花の嵐って言う人もいるんだ」と教えた。

「花の嵐……」

エヴァは舞い散るピンクの花びらを見つめ、シリウスはその横顔を微笑みながら見つめる。花の嵐は止むことはない。

エヴァに見とれるシリウスを、かぐやが何かを察した目で見つめた。






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