幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「中庭に来てくれないかな?伝えたいことがあるんだ」

シリウスがそう言うと、エヴァはコクリと頷いて立ち上がる。そして、「私もシリウスさんに伝えなければならないことがあります」と言った。シリウスの緊張が高まる。

中庭に二人は向かい合って立つ。いつものようにティータイムをするわけではない。互いの鼓動が高まり、緊張がますます募った。

「エヴァ、これを受け取ってくれないかな?」

シリウスはエヴァに花屋で作ってもらった花束を渡す。花束にしてもらったのは、赤いチューリップだ。

「綺麗ですね」

エヴァは優しく微笑む。花束を持ったエヴァの姿はいつも以上に綺麗だ。シリウスは「チューリップの花言葉を教えるね」と赤い顔で言った。

「チューリップの花言葉はね、私を信じて、ロマンチックな愛、真実の愛、永遠の愛、愛の告白なんだよ」

「それって……」

エヴァの頰が赤く染まる。シリウスはエヴァをそっと抱き締めた。
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