幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「それで、人の気持ちを教えていくうちに彼を好きになったの?」

アイヴィーが訊ねると、カレンはコクリと真っ赤な顔で頷く。

「私やシャーロックは、エデンにずっと囚われてた。だからこそ、互いの苦しみを理解し合えると思っているの。シャーロックはポーカーフェイスが上手で感情が読み取れないけど、でも少しでも私のことを見てほしい……」

「可愛い……」

アイヴィーとかぐやが同時に呟く。エヴァはカレンに「きっと叶うわ」と手を取った。

「シャーロックはカレンみたいな優しい人が好きだもの。きっと、その恋は実るわ」

「本当!?だといいな……」

次にかぐやの話す番になる。かぐやは真っ赤な顔を手で覆いながら「まだ好きかどうかはわかりませんけど……」と言い始める。

「バージルさんのことが気になっています……」

「えっ!?いつから!?」

アイヴィーが驚き、かぐやは恥ずかしそうにうつむいた。

「シリウスさんに告白して、失恋をした頃からよく食事に誘われるようになって……。苦しかったら言えよって何度も言われて、それで……」
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