幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「初めまして！えっと……」

首を傾げるアイヴィーに、シリウスはまた説明をする。なるほど、と呟いたアイヴィーはエヴァをジッと見つめた。

「とっても可愛い！」

しばらくエヴァを見つめた後、アイヴィーはエヴァに抱きつく。エヴァは戸惑った顔をしていたが、「大丈夫だよ」とシリウスが言うといつもの表情に戻った。

「アイヴィーさん、離してください」

「ダ〜メ。もう少しこのままでいさせて」

エヴァを抱きしめ、アイヴィーは微笑む。シリウスの胸にモヤモヤしたものがかかった。シリウスはエヴァを抱きしめたことがない。だから、アイヴィーがなぜかとても羨ましかった。

「アイヴィー、エヴァが困ってる」

シリウスがそう言うと、アイヴィーは残念そうにエヴァを離す。エヴァはどこか安心したような顔を見せた。

「アイヴィーさん、少し劇のことで話したいことがあるんです」

かぐやがエヴァを見つめるアイヴィーに声をかける。「わかったわ」とアイヴィーはかぐやに目を向けた。その目はさっきとは違い、女優の顔をしている。