幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「失礼な!ちゃんと似合うものを選べるよ!!」

シリウスとアイヴィーの言葉にかぐやが笑い出す。しかし、エヴァは微笑むこともせずにアイヴィーたちを見つめていた。

この子の笑顔が見たい。そうアイヴィーは強く思った。



忙しい日々を過ごし、やっとアイヴィーに休日が訪れる。この日はエヴァと出かける日だ。アイヴィーはケイリーとデートをする時のようにおめかしをする。

「エヴァ、どんなドレスで来るのかしら……」

エヴァのドレスは、清楚感があって落ち着いたデザインのものが多い。それに対して、アイヴィーの持っているドレスはリボンやレースがたくさんついたものが多いのだ。

「そうだ!エヴァにシンプルなドレスを選んでもらおうかしら」

ピンクの花のついたドレスに着替え、メイクをしながらアイヴィーは呟く。そして胸を弾ませながら家を出た。

待ち合わせ場所は、エヴァがわかるように劇場の前にした。アイヴィーが行くと、すでにエヴァは待っていた。薄紫のドレスを着ている。しかしーーー。
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