幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

その後は化粧品を見てエヴァに似合うグロスやファンデーションなどを選び、エヴァに使い方を教えた。アイヴィーは妹ができたようで楽しくなる。

「じゃあ、次はここに行きましょう！」

アイヴィーが次に入ったのは、アクセサリーショップだった。多くの女性客で賑わい、店内には豪華な髪飾りやブレスレットなどが置かれている。

「あっ！これ、エヴァに似合うんじゃない？」

アイヴィーが手に取ったのは、青いリボンの髪飾りだ。エヴァの青い瞳と同じ色をしていて似合うと思った。しかし、エヴァは困ったような顔をする。

「申し訳ありません。私は、髪飾りはこれ以外付けたくないのです」

エヴァの髪には、紫の花の髪飾りが揺れている。いつもエヴァはこの髪飾りをつけている。この髪飾り以外付けているのを見たことがない。

「どうして、その髪飾り以外付けたくないの？」

アイヴィーが訊ねると、「わかりません」とエヴァは答える。

「わかりません……。しかし、この髪飾りは私にとってとても大切なのです……」