幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

アンネストールの北側にある村の外れ、地下に作られたその場所で白い髪の女性が苛立ちを見せていた。

数々の豪華な装飾品を付け、ドレスを着て玉座のような椅子に腰掛ける姿は、まるで王族のようだ。しかし、その顔には王族が決して人に見せることのない怒りがある。

「まだヴィクトリアは見つからないのか！！いつまで待たせるんだ！！」

女性が怒鳴ると、「レジーナ様、申し訳ありません」と四人の男女が一斉に頭を下げる。ユダが顔を上げた。

「居場所を探しているのですが、見つからないのです。ヴィクトリアは知能、芸術、武術全てに優れています。我々に簡単に見つけられる存在ではないかと……」

「なら、この国の隅々まで調べろ！！この国は私のもの！！ヴィクトリアは私の全てを手に入れるための奴隷だ！！」

レジーナが怒鳴り、女性のマディソンとイザベルが「レジーナ様、美しい顔が台無しです。レジーナ様は笑わなければ」となだめるが、レジーナの怒りは収まらないようだ。