幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「この辺りが宝石で有名だとはお聞きしたことがありましたが、驚きました」

エヴァがそう言い、ケイリーはしばらく宝石のことを話した。エヴァは宝石の名前しか知らなかったようで、ケイリーがどの宝石かを教えていく。

「じゃあ、そろそろ本題に入ろうかな」

ケイリーはパジャマのポケットから一枚の紙を取り出した。そして、それをエヴァに見せる。

「これは村の地図と……」

「暗号だよ。僕の友達のエイダンが残していった」

ケイリーはそう切なげに笑った後、子どもの頃の話を始めた。



ケイリーとエイダン・フォールドは、幼い頃からの友達だった。

互いに歌や楽器、ダンスなどが好きで遊ぶ時にはいつも、周りの子どもたちとは違って楽器を演奏していたりした。

「俺、もっとギターを練習して世界中の人を感動させられるギタリストになりたいんだ！」

そう言いながら、エイダンが夢を語ってくれてその夢をケイリーも応援していた。
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