幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜

「あいつも同じだといいな……」

エヴァの顔をバージルは思い浮かべる。今では少しずつ笑ってくれるようになった。

バージルが眠りに入ろうとした刹那、突然大きな爆発音が鳴り響き、ぐらりと地面が振動した。

「何だ！？」

バージルは起き上がり、窓の外を覗く。窓の外に見えたものにバージルは驚きを隠せなかった。

黒い軍服のような衣装を着て、仮面で顔を隠した兵士らしき数十人の人間がエリカの街を襲っている。火炎瓶を投げたり、銃やナイフで人を脅したり、まるで海賊だ。

「何なんだ、あいつらは……！」

放っておくことなどできず、バージルは部屋を飛び出す。すると、廊下でエヴァが立っていることに気付いた。

「エヴァ、ここは危険だ！すぐにみんなを起こしてあいつらがここに来る前に避難しろ！ここは俺が何とかする！！」

そう言いバージルは暖炉のそばから火かき棒を手を取る。何も武器がないよりはマシだろうと思ったからだ。