幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「旦那様、奥様、お久しぶりです」

かぐやが挨拶すると、「かぐやさん、久しぶりね。シリウスを支えてくれてありがとう」と母が微笑む。かぐやは頰を赤く染め、ペコリと頭を下げていた。

「おや、君はーーー」

父がシリウスの隣に立つエヴァを見つめ、不思議そうな顔をする。エヴァはドレスの裾を持ち上げ、ゆっくりとお辞儀をした。

「お初にお目にかかります。シリウスさんにお世話になっております。エヴァです。お見知り置きください」

エヴァの自己紹介に、みんなが見とれていた。エヴァの放つ不思議な空気に囚われてしまったかのように。シリウスは胸を高鳴らせ、両親は微笑む。

「まあ、綺麗なお嬢さん!私はハンナ・プランタン。こちらこそ、よろしくお願いします」

「ハリー・プランタン、シリウスの父です。よろしく。君はハンナと出会ったばかりの頃にそっくりだ。もちろん、今のハンナも美しいがね」

父の言葉に、母が「あなた!恥ずかしいわ」と照れる。しかし、父は真面目な顔で言った。
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