幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
「本当だよ。君はいつも綺麗だ」

「あなた……」

温かな空気が流れる。かぐやは赤い顔を覆い、シリウスはチラリとエヴァを見つめた。父と母は優しく唇を重ねている。

エヴァは、不思議そうな顔で両親のキスを見つめていた。グロスの塗られたその唇が何を言いたいのかはわかっている。

「愛とは、一体何なのですか?」



その日の夜はシリウスの両親が帰ってきたということで、いつもより明るい夜だとシリウスは感じた。

食事をしながらシリウスは二人の話に耳を傾けた。二人はあちこちを旅し、また愛を育み合ったらしい。食事中も変わらずキスをしたりしていた。

「旦那様たち、相変わらずラブラブですね」

メイドたちにからかわれ、シリウスは「うん。父さんたちは世界一の夫婦だと思うよ」と笑った。息子たちがいる前でこれほどキスをしたりする夫婦はいないだろう。

「それにしても、奥様方は羨ましいです。美男美女ですし、愛し合われて……。私もそんな人と出会いたい」
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