結ばれる運命だから
正面から向き合って 抱かれていると
私は 俊樹の変化に 気付いてしまう。
「悠香。反則だから。」
唇を離した俊樹は 照れた顔で 私を見る。
「だって 俊樹が ここで食べてって言うから。」
俊樹の首に 腕を回したまま 私は答える。
「こっち向きは ダメ。」
そう言って 俊樹は 私を 回転させる。
後ろから 私を抱いて。私の肩に 顔を寄せて。
「悠香。」
そっと呼ぶ 俊樹。
お腹の前の 俊樹の手を握って 私は 顔だけ 振り返る。
「好き。」
俊樹の声が 耳をかすめ。
私は 泣きそうなくらい 嬉しかった。