結ばれる運命だから

私の肩から 腕を外した 俊樹。

ニッコリ笑って 私を見る。

「いいの?みんなに バレちゃうよ。」

私の胸は まだ ドキドキしていた。


「うん。悠香は 俺の彼女だもん。」

少し照れた顔で 俊樹は 私の頭を撫でる。

「我慢できなかったんだ。木村さんの ” えー ”っていう声。ムカついて。」

そう言って 私の顔を見て

「でも 悠香 エラかったよ。ちゃんと 断っていて。」

と続けた。


そして もう一度 頭を撫でてくれる。

「イイコ、イイコ。」

なんて 言いながら。


給湯室じゃなかったら 私 俊樹に 抱き付いていたから。

嬉し過ぎるよ。

俊樹に 認めてもらえたから。


これから みんなに 色々言われるとしても。



山本さんと 竹内さんの 驚く顔が 浮かんで。

それさえも 嬉しかった。









< 143 / 175 >

この作品をシェア

pagetop