結ばれる運命だから
「あれから 何か 言われた?」
最近 俊樹は 週に一度くらいしか 家に 帰らない。
8時頃 私の部屋に 帰って来て 俊樹は聞く。
「うん。山本さんと竹内さんに。すごく 驚いてたよ。」
簡単な食事を 用意して 俊樹を待つ私。
俊樹は 私に 何も 強制しない。
家事や 食事の用意も。
私が 何か料理を 作っておくと とても喜んでくれる。
だから つい嬉しくなって 料理する私。
洗濯や掃除も。
俊樹は 私のすることに 文句を言うことはない。
「俊樹は 何か 言われた?」
ご飯をよそる私を 俊樹は 背中から抱く。
「課長には 真剣に付き合っているのかって 聞かれた。」
私は 少しだけ 首を回して 『 んっ?』と言う顔をする。
「はい、って言ったよ?」
私は そのまま 俊樹を見つめる。
すごく 嬉しかったから。
自然と 笑顔になってしまう。
「ありがとう。」
やっと 一言 俊樹に お礼を言った。