結ばれる運命だから
「俊樹 本当に良いの?」
2人で 食事をしながら 私は 聞いてしまう。
「何が?」
俊樹は 不思議そうな顔で 聞き返す。
「だって。会社で 公表しちゃったら…」
私は “ 別れられなくなる " と言う言葉を 飲み込む。
「悠香は イヤなの?」
俊樹は 探るような目をする。
「ううん。私は 嬉しいよ。だって…」
私は また言い淀む。
俊樹が 先を促す目をするから
「俊樹のこと 大好きだから。」
私は 少し俯いて 小さな声で言う。
俊樹は 優しい目で 微笑むと
手を伸ばして 私の頭を 撫でてくれた。
「ちょっと よく 聞こえなかったなぁ。」
なんて言いながら。
「この野菜炒め すごく 美味しいね。ねえ 悠香。さっきの もう一回 言ってみて。」
俊樹は 世間話しの 続きみたいに言う。
そんなこと 何回も 言えないよ。
俊樹の 意地悪、と思いながら
お箸を置くと 俊樹の隣に 移動した。
「俊樹。大好き。」
そっと 耳元で 内緒話しみたいに 言ってみる。
「はるかー。」
俊樹の目が 甘く輝く。
そのまま ベッドに運ばれたことは 言うまでもないけど。