結ばれる運命だから
私は ずっと心に 引っかかっていた不安を 思い切って 言ってみる。
「後悔?海の何を 後悔したの?」
俊樹は 静かな目で私を 見つめた。
「全部。海で会わなくて 会社で初めて会ったなら もっと早く 俊樹と 仲良くなれたのかなって。」
私が言うと 俊樹は すごく優しい目をして 私の髪を撫でた。
「あの海で 私 俊樹だったから あんなこと したんだよ。」
「俺だって。務に誘われても いつも 断っていたんだよ。」
「本当に?」
私も 俊樹の言葉に 驚いて 顔を上げる。
「うん。そうい言えば 悠香、あの時も 毎日 ナンパしているのって 聞いたよね。」
「うん。だって。私 その中の一人だと 思っていたから。」