結ばれる運命だから
『ちょっと、悠香。昼間のライン 何よ?』
夕食を済ませた頃 礼奈から電話が入る。
『驚かないでよ、礼奈。配属先に 俊樹がいたのよ。』
私の言葉に 礼奈は一瞬 絶句した。
『マジで?』
礼奈の驚いた声に、少し笑いながら
『何かさ、こんな所で再会って ひどくない?』
私が言うと
『うん。ビビる。』
と礼奈は 短く答えた。
あの夏の話しで しばらく盛り上がり。
お互いの仕事のことを 報告し合って。
俊樹に 会社で 暴露されたら どうしようと言うと
『さすがに、それはないんじゃない。』
と礼奈は言った。
『大丈夫だよね?自分の恥を 晒すようなもんだし。』
私がそう言うと 礼奈は
『あれって、やっぱり恥なのかな。』
とポツリと言った。
『うん…』
何だか すごく寂しくなって 私は言葉に詰まる。
『ねえ、俊樹と仲良くなったら 務と4人で会おうって言っておいて。』
気分を変えるように 明るく言う礼奈。
『ないない。期待しないで 待っていて。』
そう言って、私達は 電話を切った。