結ばれる運命だから

「一度、ゆっくり話して。ちゃんと説明しないと。それでも 突き放されたら 諦めればいいじゃない。」

礼奈の言うことは わかるけれど。

「それができれば こんなに悩まないっていうの。」


だいたい、話すきっかけもないから。

「だからって じっと待っているの? そのうち誰かに 取られちゃうから。」

礼奈に 脅かされて。


「礼奈、働いたら 意地悪になった。」

と私は 頬を膨らませた。

「まあね。販売員やっていると 気が強くなっちゃうのよ。」

と礼奈は 明るく笑った。




< 73 / 175 >

この作品をシェア

pagetop