結ばれる運命だから
15
食事を終えて レストランを出る私達は
確実に 入って来た時と 違う。
俊樹に 手を握られて。
あの夏と同じように。
ホテルを出ると 俊樹は 駅と逆の方向へ 歩きだす。
「どこに行くの?」
不安に思って 私が聞くと
「まだ 帰したくない。」
と俊樹は答えた。
私だって 同じ。
このまま 別れるなんて イヤだ。
そっと 俊樹にもたれる。