結ばれる運命だから
ようやく 唇を離した私達は ゆっくり歩く。
「木村さんと 合コンしないで。」
歩きながら 俊樹は 私の顔を覗く。
私は 俊樹を見上げて コクンと頷く。
「彼がいるって 言ってもいい?」
小さな声で 俊樹に聞く。
俊樹は 優しい笑顔で 頷いて 私の頭を撫でた。
「ずるい。」
私は 少し 顔を伏せて言う。
俊樹は 『えっ?』という 表情をした。
「俊樹に 頭を撫でられると 胸がキュンとするの。」
私らしくもなく 甘えたくなって
そっと 俊樹の肩に 頭を寄せる。