18歳で父になった。




だが、やっぱり頷くわけにはいかず首を横に振ると柚子葉は悲しそうに眉を下げた。






「やだー!こゆきちゃんがいいー!」



「わがまま言ったら恋雪困るぞ?」



「やだ!こゆきちゃんはままなの!」



「違う、大好きなら恋雪困らせたらダメだぞ」



「やだやだ!」






柚子葉は涙を目にためながら俺の手をパシパシ叩いて恋雪にまたしても抱きつく。



これが魔の2歳児。



最近いやいやが始まってきているんだよなぁ。


それもまた可愛いんだが。






「いいもん!こゆきちゃんはきょうからまま!」






柚子葉は勝手にそういうと、恋雪に『ね?』と語りかけて笑った。



それにチラッと俺の様子を伺う恋雪に首を横に振るも、恋雪はなにか企んだような笑顔になって柚子葉に笑いかける。






「そうだね、私も柚子葉ちゃんのママがいいな!これからママって呼んでいいからね」



「ほんと!?やったー!ぱぱやったねー!」



「ちょ、恋雪」






無邪気に笑う柚子葉と、イタズラが成功したように笑う恋雪に頭を抱えながら俺はもう何も言えなかった。





横で太一と光司もニヤニヤ笑っているのが目に入ったがもう突っ込む気もなかった。





あんまり気があると思われることをしたくないんだけどなぁ…。






< 101 / 187 >

この作品をシェア

pagetop