18歳で父になった。
柚子が眠って数時間。
眠っている間に色々考えたが
約3日も強姦を受けて、よく殺されなかったなと思う。
それが不幸中の幸いだろう。
そんなことを考えていると、ようやく夜中に柚子が目を覚ました。
「紫苑くん」
「起きた?スープでも飲む?」
勝手に台所を使うのは忍びなかったけど
お腹の空きには叶わなかったから適当に
あるもので作らせてもらったスープの残りをついで渡すと
素直に受け取る柚子。
何も言わずにスープを飲むと、ひとつため息をついた。
「怖かった…。
ずっと暴れても離してくれなくて、色んな男が…。
どれくらい時間が経ったかも暗くてわからなくて、半分意識がなくなりながら、気づいたら家の前に放置されてた」
「うん…」
本当に辛そうに、苦しそうに今にも泣き出しそうな声で柚子の紡ぐ言葉は悲惨で
どう、言葉をかけていいのか分からない。
「お願い、私とまた結婚してよ」
柚子の辛そうな言葉に返す言葉もなく黙っていると、柚子はそんなことを言い出した。
結婚…。
「どうせもう私以外と付き合う気も結婚する気もないし、出来ないでしょ?
なら私をまた幸せにしたら?」
「いや、でも…」
「だってあんたが私を守らずに捨てたからこんなことになったんだよ!?
なのにその責任も取らないの?」
柚子はそう言いながら俺の胸ぐらを掴む。
確かに俺が捨てたからかもしれない。
俺のせいなのかもしれない。
柚子を幸せに出来なかったどころか、不幸にしたのかもしれない。
その責任を取るなんてのが出来るのか?俺に。
まず柚子葉はどうするんだ…。
柚子葉は恋雪のことをママ、ママ呼んでる。
そんな中、本当は柚子だよなんてのはどうかと思うし
なにより、柚子葉を物としてしか見てなかった柚子と柚子葉をくっつけたくない。
俺は柚子葉を守ると、柚子葉を第一に考えて柚子葉の幸せだけが生き甲斐だと思ってる。
だったらやっぱりこれは断るしかあるまい。
そう、考えて俺が口を開くと、柚子が俺の口をムニっと摘んできた。