18歳で父になった。
「とりあえず、あのクソ女の家に行くぞ」
頭の中でごちゃごちゃと考える俺を見兼ねた光司が、そう言って立ち上がる。
「私は柚子葉ちゃんとお留守番しておくよ」
「頼んだ真優」
立ち上がった光司に真優ちゃんがそう言って2人で頷いて笑い会う。
そんな2人の関係がすごく今は眩しく見えた。
「私も、今回はついて行く」
恋雪はそう言い、俺の手を掴んだまま立ち上がって俺の顔を見た。
恋雪は強い。
俺は何度恋雪に助けられただろう。
それなのに俺は恋雪に何もしてあげられないどころか、苦労ばかりかけている。
そんな不甲斐ない自分に嫌気がさしつつ、変わりたいと思う俺は立ち上がった。
今度は言われるばかりではなくて、自分の意思で。
自分のしたいことを進んでみてもいいかもしれないな。と。
俺も少しは自由に生きたいと願っても許されるんじゃないか。
そんな思いが湧いてでたのだった。
「ありがとう。
でも大丈夫、俺だけで行く」
これは俺と柚子の問題だから。
俺がなんとかしないと変われないから。
いつまでも責任ばかり感じる自分だから。
俺の気持ちをくみ取ってくれたのか
恋雪と太一と光司は、頷いて
俺だけで行かせてくれたのだった。