18歳で父になった。

演技





柚子に妊娠をしたと告げられて約3ヶ月。



柚子の家にいけどもいけども
連絡をしてもしてもなんの音沙汰もない日々が続いていた。



今どういう状況なのか。
どう思っているのか、無事なのか。




何一つ分からない音信不通、行方不明のまま日々がすぎていて俺は心配でよく寝付けないでいる。






「柚子〜!」






今日も学校終わり、迷惑かもしれないが、家の前で呼びかける。



ラインも既読にならないし、電話も繋がらない。



ピンポンをしても出ないし、そんなのが3ヶ月も。


これは本格的に何かあったのではと疑うレベルだ。






「柚子〜!また明日も来るぞ」






今日も出てこなかったか…。

なんて諦めて帰ろうとすると、ガチャっとドアの開く音が聞こえた。






「毎日毎日よく飽きもせず来るよね」






そう、呆れた声で出てきたのは柚子。


柚子のお腹は見てわかるくらいにはふくらんでいた。






「柚子!」






良かった無事だった。


と、安堵して柚子の元に駆け寄ると、柚子は面倒くさそうに俺を一瞥して部屋へと入れてくれる。






「どうせ俺は認めないとか言うんだろうなーって思ったから、堕ろせない週まで逃げてやろうと思ってさ」



「え…」



「もう、堕ろせない週だから腹括ってね」






柚子はそう言って椅子に座ってクスッと笑う。



え、じゃあつまり俺はやっぱり柚子とそのお腹の子を育てる??



でも俺の子じゃないのに?



子供に罪はない。
確かにそれはそうなのだが。



だったらもっと言い方がないか?
一緒に育てて欲しいとか…なんかあるだろ。





俺が柚子の態度に戸惑っていると、廊下をトントンと歩く足音がした。



誰かいるのか…?






「柚子〜、話は終わったか?」






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