18歳で父になった。
俺がそんな親バカなことを考えていると
柚子葉がキラキラした目で俺を見てきた。
「ねぇねぇ!ゆずはもおとうとか、いもうとほしいな!!
かなちゃんがね、おとうとができたのー!」
「そ、そうなのか?」
「そう!かなちゃんおねえちゃんだって!
ゆずはもおねえちゃんになる!」
かなちゃん、とは多分保育園の友達だろう。
柚子葉のそんな純粋なお願いにどうしたものか頭を悩ませる。
「せんせいが、パパとママがなかよしだったらあかちゃんきてくれるっていってたよ!」
「あー、まぁそうだな」
「パパとママなかよしじゃないの??」
「仲良しだぞ?」
「じゃあどうしておうちいっしょじゃないのー?」
突然ぶっ込まれたデリケートな話題にどう答えるか迷ってしまう。
柚子葉の目は純粋そのもので、もう恋雪をママと信じて疑っていないしな。
「仲良しだけど、パパが学校行ってるでしょ?
だからまだ一緒に住んでないだけだよ」
言葉に詰まった俺の代わりに、恋雪がそう言って説明すると柚子葉はんー、と唸る。
「ゆずはママともいっしょがいい!!
パパ、ママともおうちいっしょがいい!!」
そう言うと、柚子葉は頬をふくらませて俺の手をぶんぶんと振り回した。
困ったなぁ。