18歳で父になった。




「パパはママのことすきじゃないの?」






柚子葉は頬をふくらませてそう言うが、そんなのどこで一体覚えてくるんだろうか。






「好きだよ、でもパパはまだ柚子葉と沢山遊びたいな」



「ゆずはと?」



「そう、赤ちゃん出来たら柚子葉我慢しなくちゃ行けなくなるかもよ?
だからまだパパは柚子葉と沢山遊びたい」






とにかく一刻も早くこの話題を変えたくて、柚子葉にそう言うと

柚子葉はにこーっとさっきまでの脹れ面はどこに行ったのやら、満足そうに笑った。






「しかたないなぁ!ゆずはがたくさんあそんであげるね!」



「うん、ありがとうな」






なんとか話をそらすことに成功した俺は、少し恋雪と気まずい。



恋雪のことは好きだ。
でもそれは恋愛感情じゃなくて。



柚子とのこと全てを含めて、もう女はいいかなと思っているのに…。


どうしたらいいんだろうか…。






「紫苑くん、イルカショーの時間だよ」



「え、あー、まじだ!
ほら、柚子葉行くぞー!」



「やったー!」






恋雪がどう思っているのかは分からない。


でも、俺はまだ次を考えることは無いだろうから何を言わないで欲しい気もする。




そんな複雑な気持ちのまま
柚子葉たちとイルカショーを見たのだった。






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