18歳で父になった。
柚子葉と恋雪と水族館に行って家に帰ると
母さん1人だけ家にいた。
「あ、紫苑、今日帰り遅いみたいだからあんたご飯作って」
「はー?母さんは?」
「面倒くさいもん。
材料とか何も無いから買いに行ってね」
帰って1番、そんなことを頼まれた俺は断りきれずに受け入れることにした。
この母さんは料理家事全般基本しない。
忙しいのに父さん任せだ。
とんでもない主婦だぜ。
「じゃあ柚子葉の面倒見てて」
「あーい」
「私も手伝うよ」
柚子葉を母さんに預けて、家を出ようとすると恋雪はそう言って着いてきてくれる。
「ごめんな、あれだったら帰っていいから」
「うん、大丈夫!」
せっかく恋雪も水族館付き合ってくれたしご飯でもと思ったが、まさか手伝わせることになるとは。
申し訳なさすぎる。
「紫苑くんは私の事、嫌い?」
俺が申し訳なさで何も話さないでいると、恋雪は突然そんなことを聞いてきた。
「私は紫苑くんのこと好きだよ」
「ああ…うん」
「紫苑くんは私と将来を考えることは出来ない??」
恋雪のそんなド直球な言葉に返す言葉をが見たあらない。
困ったなぁ。
考えられないし、考えさせたくない。
恋雪にはもっといい人と結婚して欲しいし。
そんなことを考えながら、どう伝えようか困っていると
恋雪が俺の背中を軽くポンと叩いて笑った。